プロジェクトマネージャ試験、2024年秋試験が近づいて来ました。今回は、午前Ⅰから午後Ⅱまでの4つの時間割について、それぞれの時間の使い方を整理してみましょう。
こんにちは!セイジュン@エンジニア応援隊(@39Seijun)です。プロジェクトマネージャ試験対策を応援しておりますが、本稿記載時点(2024年8月下旬)で秋試験本番まで、いよいよ1カ月ちょいとなりました。今回は午前Ⅰから午後Ⅱまで、それぞれの時間配分をシミュレーションしてみます。
他の高度試験区分と同様に、午前Ⅰから午後Ⅱまで、4つのパーツに分かれているプロマネ試験。すべての時間を書き出すと以下の通りです。
午前Ⅰ 9:30~10:20 (50分)
午前Ⅱ 10:50~11:30 (40分)
午後Ⅰ 12:30~14:00(90分)
午後Ⅱ 14:30~16:30(120分)
では、個々にみていきましょう。
午前Ⅰ:短期決戦
午前Ⅰは、9:30~10:20の50分。30問の四肢択一ですから、単純計算で1問あたり1分半強で解答することが求められます。短期決戦です。
とはいえ、午前Ⅰは知っているか知らないかの要素が大きいので、過去問で備えをしておけば、時間が足りなくなってゲームオーバーということはありません。
粛々と、淡々と、一問ずつをこなしていきましょう。
また、計算問題も多少あります。電卓の持ち込みは当然できませんが、複雑な四則演算はありません。こちらも慌てず粛々と。
さて、試験監督の「はじめ!」の声に併せて、まずは受験番号と氏名の記入・マークを忘れずに。では始めましょう。
◇解答のマークは、1問単位に記入する。
情報処理技術者試験に限りませんが、マークシート問題の場合、「解答は問題冊子に記しておいて、最後に一気にマークする」という方もいらっしゃいますが、おすすめしません。最後に時間切れとなったら悲しすぎます。解答のマーキングは一問ずつ実施しましょう。
◇迷っても、ひとまず解答・マークする。
四肢択一で「あるある」なのが、次のケース。
アとエが違うのは分かった。正解はイかウだ、2択まで絞れた。。迷うなあ。とりあえず保留で次の問題行っちゃおう。
こういう場合でも、以下の2つの理由からイかウのいずれかをマークすることをおすすめします。
・万一、時間切れで戻って来られなかった場合、マークしていなれば×。とりあえずマークしておけば4分の1で〇。
・保留でブランクにしていた場合、解答マーク欄に後続の問題を間違えてマーキング。いわゆる段ずれを起こす危険があるから。
さて、30問を一通り、最後まで実施。
ここで時間が余るのが理想です。
余った時間でもう一度、受験番号と氏名を確認。あとは一問一問、解釈ミス・ポカミスがないか、計算問題の検算などを確認。また、答えに迷って適当にマークした問題をもう一度考える。
ここは、個人的な考えですが、いったん迷ってでもイと書いた問題は、よほど明確にウに訂正しないほうがいいかな~。変更して間違いだった場合、悔しいので。まあ、ここは個々人の好みで。
さて、ここでタイムアップ。午前Ⅰ、お疲れ様です。
午前Ⅱ:超短期決戦
方法論は午前Ⅰと同様なので、割愛。
ただし、プロジェクトマネージャに特化した領域のみが出題されるので、計算問題は僅少。知識を問う問題(平たく言うと知っているか知らないかで決まる問題)なので、時間が全然足らないという事態にはならないと思います。
以上で、午前Ⅰ、午前Ⅱ終了です。
お昼休みが1時間。昼食、あまり食べ過ぎないようにして午後にいきましょう。
午後Ⅰ:さあ天王山
午後Ⅰの試験時間は90分。3問中2問に解答です。
◇10分を予備時間として除く(理想論)
90分のうち、10分を予備時間として除きましょう。その10分の内訳は、以下の通り。
【冒頭の5分】
・受験番号・氏名の記入とマーキング
・3問中、2問を解答する選択時間
【ラストの5分】
・できる範囲での見直し。記述式解答の誤字・脱字確認。あまりに汚い字の部分清書
・受験番号・氏名の最終確認。特に、解答を選択した問題番号の〇つけ確認(漏れがち)
午後Ⅰは、時間切れも懸念されるほどハードですので、この10分の予備時間は、楽観的・理想論ではあります。とにかく落ち着いて。ドイツのことわざいわく、「静かに急げ」です。
◇3問中2問の選び方
さて、3問中2問の問題を選択する方法です。
・まずは、各文章問題のリード文から判断する
・文章題をざっと読んで判断する
・問題数を一瞥して判断する
まずは、リード文から見ていきます。以下は、2021年秋のプロジェクトマネージャ試験試験午後Ⅰのリード文3問分です。
問1 新たな事業を実現するためのシステム開発プロジェクトにおけるプロジェクト計画に関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
問2 業務管理システムの改善のためのシステム開発プロジェクトに関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
問3 マルチベンダのシステム開発プロジェクトに関する次の記述を読んで、設問1~3に答えよ。
いかがでしょうか。ここからは、あなたご自身の過去の経験値から、どれが解きやすいかを決めていくことになります。
私は、上記を見た瞬間に、まず問1を採ろうかなと考えました。マルチベンダでの開発経験があること、契約などのロジ畑からプロジェクト推進中のコミュニケーションまで一通り理解していることから、ピックアップです。
その次、問1・2は、文章の頭をざらっと確認しました。IPAのサイトに過去問がありますので、皆さんもどうぞ。
問1は、中堅生保会社による新しい保険商品開発とそれの販路(インターネット)について。
問2は、健康食品の通信販売会社における業務改善とITによる実装と読み取れそうです。
この時点では、問1は新規事業をどうITで実現していくか、またインターネットでの実装などに詳しければコッチかなと。他方、問2は冒頭読むと、業務改善なのでボトムアップ式の意見集約などこれもプロマネの勘所が問われるかなと感じた次第です。
ここでも、ご自身の経験が活きる方を選択します。私はちょっと踏ん切りがつかず、どちらかというと問1のほうが好みかな~といったところです。
最後が、問題数や解答の文字数などを見てみること、です。
ここは問題文を眺めつつ、解答用紙を見ていきます。解答用紙で、設問数の多い少ない、また〇文字以内で書け、の文字数などを見回します。
往々に、設問が少なく記述式文字数が少ないほうが、解答にあたっての体力・時間・工数が減ると考えてそちらを選択しがちですが、私の考えは真逆です。
設問数が多いほう、文字数が多いほうを選択することをおすすめします。
その理由は、記述式の場合、部分点がとれること、にあります。また設問が多い場合、1問あたりの得点が相対的に少なくなります。つまり、リスク分散が図られると考えているからです。
総合的に判断して、問1と問3を選びました。
当たり前ですが、どれを選択するかに正解はありません。大事なのは、上記のような尺度、あるいは段取りで決めきることです。最悪なのが、ある問題を解き始めて10分たって、どうしても問題との相性が悪くて他の問題に乗り換えてしまうことです。この時点で恐らくタイムオーバーだと思います。
ですので、確信をもって問題を選んだあとは、目の前の問題に集中しましょう。
◇正味80分:1問40分
さて、90分 ー 10分 = 80分。正味の時間が80分です。
つまり、80分 / 2問 = 40分、一問あたり40分です。
ここで、問題に対峙する際に、先に文章を読むか、先に設問を見るか、という問題があります。これは情報処理技術者試験というよりも、受験の現代文の解法ですね。
先に設問を見ることで、問われる観点が事前に分かるというメリットがあります。
他方、文章を読む前に先入観が入ってしまうので、文章を読み込む際に邪魔になるというデメリットもあります。
ここは、個々人の解き方や考え方のクセによるものが大きいと思いますので、どちらがおすすめという訳ではありません。ぜひ、事前学習で過去問を解く際に、両者を試して自分にあった方法を体得してください。
さて、40分。文章を読むときのリズムは、速読ではなくむしろスローで。音読するくらいのリズム・ペースを心掛けています。
読み込みながら、重要と思える箇所、覚えておきたいキーワードなどにはアンダーラインを引いていきます。
そして、設問に従い、解答していきます。学習方法、解法については午後Ⅰ対策の項に書きましたので、そちらもゼヒ。
さて、40分経過。最初の5分と併せて45分経過、ということは13時15分。もう少しで最後の設問まで行けるという場合は、5分程度の延長は可、ということは13時20分。
ここまで行って最初の問題が終わっていなくても、次の問題に行きましょう。次の問題のほうが得意領域あるいは簡単ということも考えられます。ここでもリスク分散を図りながら、最後までたどり着くことを意識しましょう。
午後Ⅰの時間配分はここまでです。
午後Ⅱ:ラストスパート、がんばりましょう
午後Ⅱは、14時30分 ~ 16時30分の120分間。出題数2問のうち1問に回答します。
◇15分を予備時間として除く(理想論)
午後Ⅰと同じ10分、いやできれば午後Ⅱの場合は、あと5分追加の15分を予備として確保したいところです。
その使い道は以下の通り。
☑問題選択(5分)
☑「論述の対象とする構想、計画策定、システム開発などの概要」書き(5分)
☑不測の事態に備える(5分)
まずは問題の選択です。
出題数は2問。問題文の冒頭にあるリード文を一瞥、ここに何が問われているかのエッセンスがあります。
例えば、2021年度だと
問2 システム開発プロジェクトにおけるスケジュールの管理について
自分が想定してきた「概要」とどちらが親和性が高いか、自分が過去経験したプロジェクトのノウハウを活かせそうなテーマはどちらか、といった視点で確認します。
併せてリード文だけでなく、設問文もざっと読んで、論文構成(ここまで何度も話ししてきた骨組み)を組む際に、文書内の事例=自分の経験となっていそうなのはどちらか、といった点で最終確定します。
その上で選んだ設問を〇で囲みます。ここまで5分。
次に、論述の対象となる「プロジェクトの概要」書きです。
事前に想定してきた「概要」と論文の展開に齟齬がある場合でも、あまり悩まず一通り記載します。微調整はラストで行いましょう。
さて、冒頭10分の準備が終わり、正味が110分。まだまだ原稿用紙には向かいません。
ここから「論文の骨組み」作成です 。骨組み作成についても、午後Ⅱの詳細、午後Ⅱ事例に詳細記事を書きました。ご一読ください。
骨組みの際は、改めて問題文章と設問ア・イ・ウ(特にアの後半とイ)を熟読します。
設問アの後半とイの論旨展開をどのように進めたらいいか、問題文章中にヒントが書かれています。そのヒントをもとに骨組みを完成させます。ここに10分から15分。
さて、ここまでが下ごしらえ。時計を見ると14:50(開始から20分過ぎ)というところでしょうか。残り100分強・90分弱、いよいよ原稿用紙に向かいましょう。
◇100分で本編執筆
90~100分で2,800文字強を目処に進めます。骨組み・プロットまで作成しておけば、あとは粛々とメリメリと書いていけばいいだけです。いくつか注意点を。
◇難しい言葉は使わず、文章もこねくり回さず短文を積み上げる意識で
一つの文章は2~30文字程度でこれを3・4回繰り返すと100文字。これを4つこなすと例えば1ー1(設問アの前半)が終わるといったリズムを持って書いていきましょう。
◇適宜、改行・段落替えを忘れないこと
論文を書いていて、バックログ・後戻りになりがちなのが、途中まで書いたのに論理矛盾・書き漏れがあって前に戻って書き直したい場合です。
段落替えをしないままびっちり書いてしまうと戻って書き足したい場合、大幅に消しゴムで消す必要が生じます。
また「〇〇字以上〇〇字以下で書け」と言われているのであって、枚数・行数を問われているわけではありません。ですので、2ー1・2ー2(設問イに該当)といった設問内の章立ては勿論ですが、論理のブレイクの際も適宜改行を意識しましょう。
◇筆を休めて、論証を確認する際はマッサージ
粛々とメリメリと書いていきます。とは言え、鉛筆・シャーペンを手に原稿用紙に向かうという習慣が絶えて久しい今日、中指もコチコチに赤くなっていきます。
適度に手首の運動・マッサージをしながら、最後まで行きましょう。
◇不測の5分
さて冒頭に不足の5分と書きました。あくまで個人的に、ですが、120分の長丁場、トイレに行きたくなることもあります。
そっちに気を取られて論文執筆どころじゃなくなっては元も子もないので、その場合は、試験監督さんに手を上げてさっさとトイレに行きましょう。
それが不測の5分の使い方でした。
さて16:30になりました。1日お疲れ様でした!
本日はここまで。また受験の心得、アップしていきますね。